独立開業を考えている方の多くが注目するビジネスの一つに「結婚相談所」があります。このビジネスは少子化や未婚率の上昇を背景に需要が高まっており、比較的少ない初期費用で始められるため、個人開業に適した業態です。
結婚相談所業界では、各連盟が提供するサポート内容や会員データベースの規模が異なり、それぞれに特色があります。本記事を参考に、しっかりと情報収集し、自身に合った連盟を選んで理想の開業を目指しましょう!
恋活・婚活市場の規模と将来性
日本では少子化と未婚率の上昇が進み、これによる労働力不足や経済成長の停滞、社会保障制度の持続可能性など国家レベルの問題となっています。
一方、マッチングアプリを筆頭に恋活・婚活市場は急速に拡大しており、2026年には市場規模が1,657億円に達すると予測されています。少子化対策としても、より「結婚」に目的を置いた結婚相談所が注目を集めています。

(出所) 株式会社タップル「2021オンライン恋活・婚活マッチングサービスの国内市場調査」
結婚相談所業界は、従来の事務所を構えた「来店型」だけでなく、低コストかつ無店舗で開業できるモデルも一般化してきています。初期投資を抑えつつ、自宅や小規模なオフィス空間でも展開可能な点は、個人事業主や副業志向の起業家にとって大きな魅力です。
結婚相談所業界はフランチャイズではなく連盟
結婚相談所のフランチャイズ加盟は、加盟店が統一ブランド名を使用するモデルではなく、加盟店同士が会員データを共有しながら、それぞれが独自に運営する仕組みが一般的です。そのため厳密にはフランチャイズではなく、「連盟」と呼ばれています。不動産仲介サイトのスタイルに似ており、共通プラットフォームを活用しつつ、各店が相互に協力し合いながら会員の婚活を支援します。
結婚は男女会員をマッチングさせることで成立します。連盟に加わることで数万人規模の会員データベースにアクセスできるようになり、ゼロからの独立開業でも自店会員へ数多くのお見合い相手を紹介することができます。
おすすめの連盟①「IBJ(日本結婚相談所連盟)」

結婚相談所業界で注目されるフランチャイズとして、業界大手の「IBJ(日本結婚相談所連盟)」が挙げられます。同社は会員数約94,000名、月間お見合い件数約72,000件、加盟店数約4,400社と日本最大級の結婚相談所ネットワークです。
IBJは開業支援やコンサルタント育成のサポートが充実しており、加盟金は個人・法人で異なるものの、比較的低投資でのスタートが可能です。また、無店舗型ビジネスとして副業での開業にも対応できる点で敷居が低く個人事業主からも注目されています。
おすすめの連盟②「BIU(日本ブライダル連盟)」
日本ブライダル連盟(BIU)は、1972年創業の歴史ある結婚相談所連盟で、全国約1,600の加盟相談所と約66,000名の会員を擁しています。加盟金は80万円(税込)と比較的リーズナブルで、初期基礎研修や1年間の専任サポートにより、未経験者でも安心して開業が可能です。
BIUは直営店を持たず、加盟相談所同士が協力する体制が特徴です。集客支援システムやブランディングのサポートも充実しています。さらに、ノッツェとの提携により紹介可能な会員が増え、多くの出会いを提供できる環境が整っています。豊富な会員基盤と手厚いサポートで、初めて結婚相談所を開業する方にも適した選択肢です。
おすすめの連盟③「TMS(全国結婚相談事業者連盟)」

全国結婚相談事業者連盟(TMS)は、35年以上の歴史を持つ結婚相談所連盟で、2023年11月時点で全国に約1,936の加盟相談所と約87,460名の会員が在籍しています。加盟金は82.5万円(税込)で、ロイヤリティは不要です。
開業前には事業計画や業界知識を学べる研修があり、開業後も定期的なサポートが受けられます。直営店を持たず、加盟店同士が協力する体制が特徴で、他連盟との連携により紹介可能な会員数を増やす取り組みも進めています。豊富な会員基盤と手厚い支援で、初心者にも適した連盟です。
おすすめの連盟④「NNR(日本仲人連盟)」
日本仲人連盟(NNR)は、1974年創業の歴史ある結婚相談所連盟で、全国約1,900の加盟相談所と約87,000名の会員を擁しています。加盟金は66万円(税込)と比較的リーズナブルで、初期基礎研修や1年間の専任サポートにより、未経験者でも安心して開業が可能です。
直営店を持たず、加盟相談所同士が協力する体制が特徴で、集客支援システムやブランディングのサポートも充実しています。 さらに、コネクトシップとの提携で紹介可能な会員が増え、多くの出会いを提供できる環境が整っています。豊富な会員基盤と手厚いサポートで、初めて結婚相談所を開業する方にも適した選択肢です。
連盟選びのポイント
会員数・会員属性をチェック
結婚相談所を運営する際、加盟する連盟の会員属性はまず見るべきポイントです。会員数は多ければ多いほど、お見合いが組みやすいという指標にはなります。ただし、多ければいいというものではなく、年齢層や年収層など会員属性も重要です。
例えば20~30代中心の連盟であれば、若年層が求めるカジュアルな出会いを提供しやすい。一方、シニア特化の連盟は落ち着いた雰囲気や人生経験を重視するマッチングを強みにできます。実際にカウンセリングを行う自身やスタッフがどのような属性の会員にマッチしそうかを考慮すると良いでしょう。
サポート体制の充実度をチェック
未経験から結婚相談所を開業する場合、充実したサポート体制を持つ連盟を選ぶことで成功確率が上がります。開業研修や営業ノウハウの提供、集客支援の方法論はもちろん、顧客管理を効率化するITツールやシステム面でのサポートも不可欠です。
各連盟が公開している情報だけではなく、実際に加盟している相談所の口コミなども調査して決めるようにしましょう。
ブランド力・知名度による集客効果
大手の結婚相談所連盟に加盟すると、すでに確立されたブランド力と知名度が活用できます。名が知られた連盟であれば、初期段階から顧客が安心感を抱きやすく、説明やセールスのハードルが低下する効果が得られます。
信頼性の高いブランドに付随する広告やキャンペーンも活用でき、自社サービスの露出度向上や認知度拡大につながりやすいです。
加盟費・ロイヤリティのバランスを見極める
連盟加盟にあたり、初期投資額や月々のロイヤリティはビジネスの収益性を左右する重要な要素です。大手の連盟は初期費用やロイヤリティが高めになりがちですが、その分サポートや集客力が強固な場合が多い。
一方、低コストな連盟を選ぶと予算を抑えられる一方で、知名度不足やサポート欠如による苦労が生じる可能性があります。
実際に稼げるのか?収益モデルの一例
結婚相談所の収益は、入会金・月会費・お見合い料・成婚料など、複数の収益源で構成されます。例えば、業界大手IBJ(日本結婚相談所連盟)では、約9万4,000名の会員と4,400社以上の加盟相談所を有し、月間お見合い件数は約7万2,000件に上るといわれています。こうした巨大プラットフォームの恩恵を受け、個店でも開業初期から豊富なマッチングが獲得可能。安定的な成婚が出始めれば、半年~1年程度で初期投資回収を狙えます。
具体的に結婚相談所の収益モデルは、以下の主要な収入源で構成されています。
主な収入源
- 入会金: 会員登録時に支払われる費用で、事務手続きやシステム登録に充てられます。
- 活動サポート費: お見合いの調整や交際サポートなど、会員の活動を支援するための費用です。
- 月会費: 会員が在籍中に毎月支払う費用で、サポートやシステム利用料を含みます。
- お見合い料: お見合い1回ごとに発生する費用で、日程調整や場所のセッティングに対する対価です。
- 成婚料: 成婚が成立した際に支払われる成功報酬で、結婚相談所の主要な収入源の一つです。
収益モデルの例
例えば、以下の料金設定で運営する場合を考えてみましょう。
- 入会金: 30,000円
- 活動サポート費: 70,000円
- 月会費: 10,000円
- お見合い料: 5,000円
- 成婚料: 200,000円
会員が1年間活動し、月に2回のお見合いを行い、最終的に成婚に至った場合、以下の収益が見込まれます。
- 入会金: 30,000円
- 活動サポート費: 70,000円
- 月会費: 10,000円 × 12ヶ月 = 120,000円
- お見合い料: 5,000円 × 24回 = 120,000円
- 成婚料: 200,000円
合計収入: 540,000円
このように、1人の会員から年間で約54万円の収入が期待できます。会員数が増えるほど、収益も増加します。
初期投資の回収期間
結婚相談所の開業に必要な初期投資は、加盟金や設備費などを含めて数十万円から数百万円程度です。上記の収益モデルを基にすると、毎月数名の新規会員を獲得し、成婚者を出すことで、半年から1年程度で初期投資を回収できる可能性があります。ただし、実際の回収期間は集客力や運営方法によって異なるため、綿密な事業計画が重要です。
結婚相談所開業のメリット
初期費用をおさえて、無店舗でもスタート可能
結婚相談所は自宅やレンタルオフィスで始められるため、家賃や内装費を大幅に削減できます。最近では、オンライン面談を活用した無店舗型のスタイルも広がり、リスクを抑えて起業できるのが特徴です。副業として週末だけ対応するなど柔軟な働き方も可能で、徐々に規模を拡大できる点が魅力です。
未経験でも安心のサポート体制
連盟加盟で、開業前の研修や営業ノウハウの講座、実務サポートが受けられるため、未経験でも安心してスタートできます。困ったときには本部や他加盟店と情報共有できる仕組みもあり、短期間で基本スキルを習得可能です。異業種出身でも活躍している例が多数あります。
安定した需要と社会貢献のやりがい
少子化や未婚率の上昇で、結婚相談所の需要は増加傾向にあります。確実な出会いやプロのマッチングを求める人が増えており、安定した収益が期待できます。さらに、成婚をサポートすることで少子化対策や地域活性化に貢献できるため、社会的意義も大きく、やりがいを感じやすいビジネスです。
結婚相談所開業のデメリット
マッチングの責任と精神的負担
結婚相談所の最大のミッションは、会員同士をマッチングさせ、成婚に導くことです。しかし、結果が出にくい時期は、オーナー自身が「本当に役立てているのか」と悩み、精神的なプレッシャーを感じることも少なくありません。お客様の人生に深く関わるだけに、断られたり、思うように進展しないケースが続くと、モチベーション維持が難しくなる場面もあります。
顧客対応の難しさと調整業務
人と人を結びつけるビジネスである以上、さまざまな価値観や性格に触れることになります。相性の問題やコミュニケーションのすれ違いなど、予想外のトラブルも起こりがちです。こうした状況を円滑に調整するには、人間関係の調整力や細やかな気配りが求められます。また、一度に複数の会員を担当している場合、スケジュールや進行状況を管理する手間も増え、運営者としての負担になる可能性があります。
集客・信用構築のハードル
結婚相談所はすでに多くのプレイヤーが参入している分野です。その中で新規参入者が会員を獲得するには、知名度の低さやブランド力不足による集客の難しさが避けられません。また、お客様の人生に関わるビジネスゆえ、信頼性の確立が重要です。実績がないうちは「本当に信頼できる相談所なのか」と疑問を抱かれがちで、成果や口コミが蓄積されるまで一定の時間がかかることもデメリットといえます。
結婚相談所事業に向いている人・向いていない人
結婚相談所の開業は、低コストや無店舗で始められ、未経験者にもサポートが充実し、社会的意義を感じられる点が魅力です。
こうした特徴から、人と接することが好きで、相手に寄り添いながら丁寧に関係構築できる人、地道な調整を苦にせず着実に実績を積み上げられるタイプに向いています。
一方、結果を急ぐあまり精神的な負担を重く感じやすい人、人間関係の調整が苦手な人、信頼獲得までの時間を待てない人には不向きかもしれません。
店舗型・オンライン型・ハイブリッド型
結婚相談所とひとことで言っても、その営業形態は多様化してきています。特にコロナ禍以降、オンライン型の結婚相談所も増えてきています。
店舗型
「お客様と直接顔を合わせながら信頼関係を築きたい」という方には、店舗型の開業スタイルがおすすめです。路面店や小さな事務所を構えることで、「ここに行けば話を聞いてもらえる」という安心感を提供できます。来店時のお茶出しや、落ち着いた内装を整えることで、“相談しやすい雰囲気”を演出できるのも強みです。ただし、家賃や内装費用などの初期コストはオンライン型と比べて高くなりがちです。開業時の資金に余裕があり、じっくり腰を据えて地域ブランドを築きたい方には、店舗型は有力な選択肢と言えるでしょう。
オンライン型
「オフィス費用をおさえたい」「全国からお客様を募集したい」と考えるなら、オンライン型がおすすめです。自宅でビデオ通話ツールやチャットを使えば、顧客は自宅にいながら気軽に相談でき、地理的な制約もなくなります。オンライン専用のツールやシステムを整えることで、効率的なカウンセリングやスケジュール管理も可能です。また、スタート時から多額の初期投資が不要な点も大きな魅力。開業リスクを抑えつつ、迅速かつ柔軟に運営スタイルを変えられるため、副業スタートや拡大戦略にもぴったりです。
ハイブリッド型
「対面での信頼感も欲しいが、オンラインの利便性も捨てがたい」そんな悩みを解決するのがハイブリッド型です。たとえば、基本はオンラインで全国対応しつつ、定期的に店舗やレンタルスペースで対面カウンセリングを実施すれば、顧客層が広がります。遠方のお客様にはオンラインで初回面談、その後信頼関係が深まったら、イベント的に対面相談会を開催するといった柔軟な運用も可能です。初期投資はオンライン型よりやや高めになりますが、幅広いニーズに応えられるため、ブランド力を高めやすい選択肢と言えるでしょう。
まとめ
少子化や未婚率上昇といった社会問題を背景に、結婚相談所ビジネスは急速な市場拡大が見込まれています。フランチャイズではなく「連盟」モデルで、豊富な会員データベースと充実したサポート体制を活用できる点が、個人開業における大きな強みです。
無店舗・低コストでスタートでき、副業から本格独立まで幅広く対応可能。社会的意義も高く、成長市場で事業を展開できる結婚相談所ビジネスは、今後も注目すべき起業モデルといえるでしょう。


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